日光東照宮 五重塔の「心柱」が宙に浮いている理由

東照宮五重塔は、中心に心柱(しんばしら)を据えた優れた耐震構造物です。

東京スカイツリーの耐震システムが、五重塔の心柱構造を応用して設計されたことでも話題になりました。

スカイツリー開業に合わせて、東照宮五重塔は内部を特別公開。その反響の多さから、当初の公開期間を延長し、当分の間内部の特別公開が続きます。(期間は未定)

五重塔の心柱はどんな状態になっているのか

五重塔内部の見学は、塔の初重(1層目)に入って見ます。

塔の内は吹き抜け。その中心を貫くのが金に彩られた心柱。直径60㎝ある太い心柱は、4層(4階)から鎖でつり下げられています。

肝心な心柱の下部は、格子がじゃまをして少し見づらい。前に出て格子のすき間から目を凝らすように見ます。

床下の礎石の穴にタボは入っていますが、心柱自体は礎石から10㎝ほど浮いた様子がわかります。

心柱を宙に浮かせたのは地震緩和のため

五重塔の心柱は、4層目から鎖で吊下げられ、下まで達していない。そして各層と繋がっていないことは、心柱が五重塔の構造にかかわる部材でないことを表しています。

心柱を浮かせる理由は大きく2つあります。

1つは「心柱制振」と呼ばれる地震緩和システム。地震の際に心柱が振り子状に動いて、振動を和らげる役目です。

3・11の震災でも、この五重塔は損傷を受けずにすみました。

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長い年月による木造のひずみを調節する目的

もう1つの理由が、木造に避けられない“ひずみ”を調整するため。

木造建築物は長い年月を経ると、建物自体の重さ、木材の伸縮などによって狂いがでてきます。

年月を経て重みで塔身が縮んだとき、心柱が五重の屋根を突き抜けるのを避けるため、五重塔の心柱を宙に浮かせる構造が考えられたといいます。

古人の知恵、優れた技術には学ぶことが多いですね。

内部の特別公開では、今まで見られなかった耐震、耐久の秘密の部分を興味深く見学できます。観覧料は、現在行われている「平成の大修理」事業にあてられます。

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フジヤミユコ

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投稿者プロフィール

東京都出身のフリーライター・編集。温泉に入る、寿司を食べる、旅をする、この3つが生きる糧。旅行、観光、料理を中心とした雑誌、パンフレットなどの印刷物に携わっています。

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