法隆寺に隠された七不思議「片目のないカエル」とは
火災にあったにもかかわらず、飛鳥時代の建物が今なお残る「法隆寺」は世界遺産にも登録され、奈良県を代表する観光名所として有名ですが、この法隆寺に七不思議と呼ばれる言い伝えがあるのをご存知でしょうか?
ここでは七不思議の中でも番外編とされるカエルの伝説について紹介したいと思います。
因可池のカエルは片目がない
西院と東院の間に建っている「東大門」をくぐると、正面には聖徳太子の遺徳をしのんで建てたとされる東院伽藍の中心的建物「夢殿」が目に入ってきます。
そこへ至る参道の右側は築垣で囲まれているのですが、その中に因可池(よるかのいけ)と呼ばれる池があり、「因可池のカエルは片目がない」という言い伝えが残っています。
片目のないカエルは見当たらず
実際に法隆寺に行かれた方のブログなどを読んでみると、今現在、因可池に生息するカエルは両目があるとのことでした。
当然と言えば当然なのでしょうが、それならばなぜ「片目がないカエルがいる」という伝説が生まれたのでしょうか?
聖徳太子がカエルに筆を投げたことが原因
有力な説によると、その昔、聖徳太子が住む斑鳩の宮は、因可池の近くにあったそうです。
聖徳太子が勉強をしている時も、ずっと因可池のカエルが鳴き止まず煩かったため、太子がカエルに向かって筆を投げ、鳴き止ませようしたところ、運悪くカエルの片目を突いてしまい、それ以降、因可池のカエルは全て片目がなくなってしまったそうです。
しかしながら聖徳太子は、同時に10人の人の話を聞いて、発せられた言葉はすべて漏らさず理解し、的確な答えを返したという伝説も耳にしますよね。
豊聡耳とまで呼ばれた太子が、カエルの鳴き声にイライラして筆を投げたというのは、正直、信じ難い気もします。真相は闇の中といったところでしょうか。